ゲームスナッチ管理人のユウ(@gamesnatch1988)です。。PSVitaで2019年6月に(株)メビウス(開発:プチデポット)より発売となったSF人狼ゲーム「GNOSIA グノーシア 」をクリアしたのでレビュー記事を作成しました。
目次でチェック!
ゲーム概要
ジャンル | SF人狼ゲーム |
ハード | PSVita / Switch |
メーカー | (株)メビウス(開発:プチデポット) |
発売日 | PSVita : 2019年6月20日 Switch : 2020年4月30日 ダウンロード配信 |
価格 | 2,480 円(税込) |
レビューバージョン | v1.00 |
ストーリー
グノーシアは嘘をつく。人間のふりをして近づき、だまし、そして身近な人間を一人ずつ、この宇宙から葬り去る――。
漂流する宇宙船内にて、人間を襲う未知の敵「グノーシア」に直面した乗員達は、誰が敵なのか分からない状況でこの危機を収束させるために、一つの解決策を試みる。 最も疑わしい人物から一人ずつコールドスリープさせ、船内に紛れ込んだ全てのグノーシアを活動停止させるのだ。
しかし、その人物が本当にグノーシアだったのか、あるいはスケープゴートにされた哀れな人間だったのか、知ることは難しい。最後に笑うのは人間なのか、それとも――?
(公式サイトより引用)
評価点
人狼をソロプレイで快適シミュレーション
巷で人気であった人狼ですが、人数が必要なので結構敷居が高く、筆者は全く経験したことがありませんでした。いつかはプレイしてみたいなと思いながらもなかなかそんな機会もなく、そんな時に出会ったのがグノーシアでした。グノーシアは手軽にソロプレイで人狼を楽しめる人狼シミュレータとして楽しむことが出来ます。
チュートリアルも丁寧で、ゲーム内ヘルプの中では人狼のルールや駆け引きについてかなり細かく解説がされています。ゲーム自体も最初は人数少なめでグノーシア (狼)役も一人からスタートして、徐々に人数が増えていき、人狼に登場する役割も解放されていき、段階的に複雑になっていきますので、少しずつゲームに慣れていくことができるるつくりになっています。
またワンゲーム15分程度とコンパクトにまとまっているので、「あと1戦、あと1戦」と続けてしまう中毒性もかなり高いです。賛否あると思いますが、自分の役割が終了(コールドスリープされたり殺されたり)するとその時点で結果表示からゲーム終了となり、役割が一新された次のゲームにすぐに移るのでついつい連続で何ゲームも続けてしまいました。
本格AIと癖のある魅力的なキャラクター
人狼はもともと全ての役割を人間が演じる対人ゲームです。ここでソロプレイ専用のグノーシアで重要となってくるのが、プレイヤー以外を演じてくれるCPUのAIです。AIが不自然な思考や発言などをすると、途端に人狼ゲーム自体が破綻してしまい、ゲームとして成立しなくなりますし、熱中することが出来なくなってしまいます。グノーシアのAIはかなりよく出来ているので戦略性のあるゲームが楽しめます。
AIが優秀だと感じたのは、性格や発言の傾向、戦略などによるキャラクター個々の設定がしっかりしており、その設定に従ってAIが自然な行動をとってくれるということです。役割が違えばまたAIの行動も変わってきますし、議論での発言もまた変化していきますので、対人に近いプレイ感覚を得ることができるように工夫されています。
またキャラクター自体の魅力も忘れてはいけません。登場人物は人間だけではなく、SFならではのイルカ型宇宙人や典型的な宇宙人も存在し、とにかく全員一癖も二癖もある性格でキャラクターが濃いです。威圧的な人物、賛同的な人物、感情的な人物、理知的な人物や勝つ気があるのか?というおばかなキャラまで特徴が豊かなので、繰り返しプレイしてキャラを知る事が議論(人狼ゲーム)に勝利することにも繋がっていきます。
RPG的な成長要素とスキルの概念
本作にはプレイヤーにレベルの概念が導入されています。ワンゲーム終了後に経験値が得られ、その経験値を使用してステータスを伸ばしていく事が出来ます。ステータスはカリスマ、直感、ロジック、かわいげ、演技力、ステルスに別れていて、自由に能力を伸ばすことが出来ます。能力を伸ばせば議論の際に使用できるスキル(発言や態度)が増えていきます。
序盤はスキルがない状態なので、できることが少ないです。しかし、RPG的な成長要素として取り入れられたステータスにより、他のCPUに対してできること(主に発言内容や態度)が増えていくため、議論の戦略性がどんどんアップしていきます。経験値は勝利すれば多くもらえますし、負けても得られるため、何度も何度も挑戦したくなり、モチベーションアップにもうまく繋がっています。
ループ構造で秘密に迫る物語も秀逸
ここまで人狼ゲームの面白さに焦点を当ててきましたが、グノーシアはストーリー性も強く、アドベンチャーゲームとしても非常に興味深い内容になっています。本作はループ構造になっていて、人狼ゲームの勝敗が決すると初日に戻り、役割を変えて再度人狼ゲームに挑むという構造になっています。なぜループするのか?といった謎を解く事がグノーシアのストーリーの主だった内容となります。
物語は議論と議論の幕感に進める形となっていて、特定の条件下でトリガー(人狼ゲームの設定や進行状況による)が発生し、徐々に(キャラクターエピソード的な)登場人物たちの背景を明らかにし、ループの謎に迫っていくこととなります。トリガーを見つけるのは非常に難しいので序盤は総当たり的な側面があるものの、ある程度ゲームを進めるとそのトリガーが発生する条件を設定してくれるイベントサーチ機能(設定だけでなくどのようにゲームが進行したかという条件もあるため必ずトリガーが発生するわけではない)が解放されるため、これも周回プレイを促進させてくれます。
物語についてはネタバレになってしまうため詳細は記載しませんが、SF人狼という設定とループ構造、メタ的な展開も含め、非常に綺麗にまとまっていて余韻もよく多くの方が満足できると確信しています。疑心暗鬼になりながら騙し合い疑ぐりあって人狼ゲームに身を投じるキャラ達が最後に迎えるのはハッピーエンドとなるのか、ぜひ自身の目で確かめてみてください。
問題点
序盤はできることが少ない
「RPG的な成長要素とスキルの概念」で少し触れましたが、ゲームスタートから序盤はプレイヤー自身が低レベルな状態なので、できることが少ないです。例えば、議論の最中にグノーシア(狼)役を突き止めたとしても、そのグノーシアをコールドスリープ(排除)させる話術がないため、成り行きを見守るしかなす術がなありません。この辺の調整は初心者でもプレイしやすいように、導入はあえてできる選択を絞っているため、人狼ゲームをよく知っている方にとってはもどかしい思いをする事になるかもしれません。
CGギャラリーが存在しない
魅力的なキャラクターイラストやイベントイラストをアドベンチャーパートで見ることが出来ますが、クリア後もCGギャラリー的な項目がないため、再度振り返って閲覧することが出来ないのは残念に感じました。
総合評価
一人で楽しめる人狼シミュレーションアドベンチャー。特徴的なキャラクターごとの背景や性格、思考を反映した優秀なAIのおかげででソロプレイでも多彩な展開の戦略性のある人狼ゲームを楽しめる。丁寧なチュートリアルと豊富なヘルプで人狼初心者の入門としても最適。人狼パートは一周15分程度でワンゲームが終了するため、中毒性がありついつい長時間続けてしまう魅力がある。ループ構造で語られる謎が謎を呼ぶストーリーは人狼ゲームと上手く絡められており、アドベンチャーとしてみても完成度が高い。ネタバレのため詳細は記載できないが、伏線もしっかり回収されクリア後にはすっきりとした余韻に浸れる。人狼ゲームとしてもアドベンチャーとしても他に類を見ない傑作である。
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