ゲームスナッチ管理人のユウ(@gamesnatch1988)です。。PS4/XboxOneで2019年10月(Switch版は2020年6月)にテイクツー・インタラクティブ・ジャパンより発売(開発はObsidian)となったRPG「アウター・ワールド」をクリアしたのでレビュー記事を作成しました。
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ゲーム概要
ジャンル | FPS + RPG |
ハード | PS4/XboxOne/Switch |
メーカー | テイクツー・インタラクティブ・ジャパン |
発売日 | 2019年10月25日 (Switch:2020年6月5日) |
価格 | 7,480円(税込) |
レビューバージョン | v1.2.0(PS4Pro) |
ストーリー
銀河の最果てを目指す移民船の船上で気を失ったプレイヤーは、予定の数十年後に目を覚まし、コロニーであるハルシオンの破壊を目論む巨大な陰謀に巻き込まれる。
宇宙の辺境を探索する中で覇権を狙う様々な勢力と出会い、プレイヤーがどのような存在になるかによって、ハルシオンにいる全ての者の運命が決まる。
コロニーのために企業が用意した方程式の中でプレイヤーは想定外の変数となり、物語を導いていく。
未来へようこそ – できればぶち壊さないように。
(公式サイトより引用)
評価点
圧倒的な会話パターンと豊富なサイドクエスト
「Fallout New Vegas」のObsidian開発ということでロールプレイ重視のゲームシステムに期待していましたが、期待以上の作品でした。とにかく驚いたのがNPCとの会話パターンがとてつもなく多いということでした。一回の会話の中でも幾度も選択肢で分岐し、それぞれに対して異なった反応を返してくれるので、人々に話しかけるのがとても楽しく感じました。
会話パターンは通常の選択肢の他にも、スキルによってさらに分岐が増えます。威圧、説得と行った「会話スキル」やメディカル、サイエンスなどの「技術スキル」によりそれぞれユニークで特徴的な回答が追加されるので、プレイヤーごとに全く異なる多彩なロールプレイを楽しむことができると思います。
クエストを進行するために、NPCとの会話を楽しんでいるとサイドクエストが次から次へと舞い込んできます。あれもこれもやらなくてはと忙しく大量のクエストをこなしていきながら、「The Outer Worlds」の世界に飲まれていくのはロールプレイ重視のプレイヤーには堪らない造りになっています。
サイドクエストはどれも個性豊かなシナリオになっていて、前述の通り情報量もかなりのものですので、世界観の表現やストーリーの補完の役目を果たしています。どのクエストも一本道のシナリオではなく、会話と合わせて分岐が多く、解決策もバラエティに富んでいます。中には後悔してしまうような悩ましい選択もしなければなりません。このような膨大な会話とクエストの分岐により、周回に耐えられる高いリプレイ性が産まれていると感じました。
個性的なビルド要素
ゲームを初めてまずすることはキャラメイクです。性別は男女から選べ、外見も細かく設定することが出来ます。ゲーム開始時点では、主人公の生い立ちを「適性」として、レジ係、農家、医療技術者などから選びます。さらには「特性」として身体の強さ、知性、知覚、魅力などにポイントを割り振ることでゲーム開始時点で細かく個性をつけることが出来ます。
「スキル」は細分化されていて、レベルアップに応じてポイントを割り振ることでユニークな成長を楽しめます。威圧、説得、騙しなどの「会話スキル」を伸ばして戦闘を回避して交渉するもよし、重火器や近接武器などの「攻撃スキル」を伸ばして有無を言わさず制圧してくもよし、スキルの割り振りにより物語の展開にも違いを産むことが出来ています。
スキル以外にもレベルが2上がるごとに様々なメリットが得られる特殊技能を得ることも出来ます。さらには本作の特徴的なシステムとして、欠点システムがあります。例えば薬をたくさん使用していると「薬物依存症」という欠点が現れ、「欠点」を直すこともできますし、デメリットである「欠点」を受け入れて特殊技能ポイントを取得することもできます。スキルや特殊技能による自由度もあり、それによって全く別の展開を見ることができるので、ビルドによるリプレイ性も高いと思います。
豊富なセミオープンフィールド
「Fallout」と比較されがちな「The Outer Worlds」ですが、「Fallout」が完全なオープンワールドであるのに対して、「The Outer Worlds」はエリア制のセミオープンワールドとなっています。複数の惑星を股に掛けて冒険するため、惑星単位でエリアごとの程々の大きさのフィールドを自由に探索するといった感じです。
エリア制であるメリット、デメリットはあるのですが、本作ではエリア制を採用することにより、惑星ごとの特徴を表現しています。グラフィックはPS4レベルより少し下だと思いますが、各惑星のフィールドは色彩鮮やかに描かれており、登場する街も個性的な風景を見せてくれます。
コンパニオンとの冒険感
「The Outer Worlds」では仲間となるキャラは6人で、同行できるのは二人までです。コンパニオン達にはそれぞれ個別にクエストも用意されていて、クエストを進めていく中でそれぞれの性格や生い立ち、思想などを感じることができます。
同行していると主人公とNPCの会話に割り込んできて、自分の意見を進言してきたりしますし、戦闘中もよく喋るので、一緒に冒険していると感じることができました。
問題点
敵の種類が少なく戦闘はやや単調
戦闘は一世代前の平凡なFPSといった印象で、やや単調で飽きやすいと思います。敵もロボット型、人間型、モンスター型を合わせても種類は少ないためどうしても作業的になりがちです。戦闘のアクセントとして、一般的なバレットタイム(時間の流れをゆっくりにする)をワンボタンで発動させる「タクティカル・タイム・ディレーション」が存在しますが、「Fallout」であった「VATS」システムほど爽快感を感じることは出来ませんでした。
メインストーリーが短め
評価点で記載した通りサイドクエストが豊富な反面、メインストーリーは短めです。メインストーリーのシナリオ量がサイドクエストと比較して少なめなため、どうしてもメインの物語が薄く感じられ、盛り上がりに少し欠けてしまいます。サイドクエストをそこそこにメインのみ進めてしまうとボリューム不足と感じてしまうバランスになっています。
総合評価
複数の惑星を股に掛け、プレイヤー独自の倫理観で世界を救っていくSFとブラックユーモア満載のセミオープンなエリア制のFPSRPG。分割されたエリアはカラフルで惑星ごとの特徴が描かれており、登場する街もバラエティ豊かで散策を楽しむことができる。細分化されたスキル、ユニークな特性、武器のカスタマイズによるキャラビルドは自由度があり、プレイヤーごとのスタイルを実現できる。本作の一番のセールスポイントは圧倒的なまでの会話の分量と分岐によるロールプレイにある。一回の会話の中に複雑な分岐とスキルに依存する自由度の高い選択肢が登場し、多様性のあるクエスト展開が楽しめるため、リプレイ性も非常に高い。PS4レベルには一歩足りていないグラフィックと単調な戦闘が気になるかもしれないし、本作は「Fallout」ではないが、自由度の高いRPGを探しているならぜひ本作のプレイをおすすめしたい。
アウター・ワールド – Switch 【CEROレーティング「Z」】
アウターワールドはもう少し宇宙感あっても良かったと個人的に思っています。
あれだとFO感の方が強くて折角のスペースボヤージュ物なので惜しかったですねー。