ゲームスナッチ管理人のユウ(@gamesnatch1988)です。。XboxOne/PS4(海外)で2020年5月にTripwire Interactive LLCより発売となった鮫オープンワールドアクションRPG「MANEATER」をクリアしたのでレビュー記事を作成しました。
目次でチェック!
ゲーム概要
ジャンル | オープンワールドアクションRPG |
ハード | XboxOne/PS4(海外) |
メーカー | Tripwire Interactive LLC |
発売日 | 2020年5月22日 |
価格 | XboxOne:4,650円(税込) PS4(北米):$39.99 共にダウンロード版 |
レビューバージョン | v1.04(PS4Pro) |
ストーリー
海の頂点捕食者である恐ろしいサメになって、究極のパワーファンタジーを体験しましょう!
マン・イーターは、あなたがサメとなってオープンワールドのアクションRPGで暴れまわる、シングルプレイヤーのゲームです。
栄養をむさぼり、自然が与えた姿を超えて成長し、進化しましょう。
あなたをバラバラにした意地悪な漁師に復讐を果たすには、伝説の頂点捕食者である巨大なサメに進化しましょう。
食べて、捜索して、進化しよう。
(公式サイトより引用)
評価点
希少な題材で意欲的な作品
親を人間に殺されたサメが主人公で、人間に復讐を果たすというのがメインストーリー。この時点でB級パニックムービーを彷彿とさせ興味が湧いてくる題材です。広大な海を舞台としたオープンワールドでサメの成長を楽しめるRPG要素のあるアクションゲームということで、なかなか他では見ることができない希少な体験ができる意欲作です。
主役のサメは食事とクエストで経験値を得てレベルアップしていきます。食事は海の生物と人間です。海の生物は捕食しても特にデメリットはありませんが経験値が少ないです。人間を捕食すると経験値は多いのですが襲い続けると悪名が上昇しハンター達がサメを殺害しようと追ってきます。クエストの経験値は捕食と比較して多くもらえますし、収集物の取得でも経験を得られます。レベルアップのための手段が豊富にあり、レベルもサクサク上がるのでバランスが良いと感じました。
サメは喋れないのでストーリーは薄めであることは咎めません。ただし、ランドマークなどの収集物を発見した際には捻りの効いた興味深いナレーションが挿入されますし、ストーリーの進行に応じて仇となるサメハンター視点でのカットシーンがドキュメンタリーテレビの取材風景として挿入されるので、プレイのモチベーションを保つことができました。
時間経過で変化する美しいオープンワールド
ミドルプライスの価格設定がされていますが、グラフィックは一般的なPS4作品として見てもレベルは高いと感じました。人間はディフォルメ調ですが、題材が題材(人間も食べてしまうので)だけにリアル過ぎるとグロ要素が強めになってしまうので、丁度良い描写でした。
風景のグラフィックはリアルでとても綺麗です。海中はもちろんのこと、海辺の建造物や地形も作りこんであり、オープンワールドで再現されたバラエティ豊かなエリアを疾走しながら風景の移り変わりを見るだけでも楽しかったです。時間経過もあり朝昼夜と違った景色を見れます。特に夜景は美しく、ただブラブラと泳いでいるだけでも雰囲気が良いので飽きませんでした。
マップ自体はそれほど広くはないですが、その分特徴が豊かに作り込まれていて、コピペマップなどはないのも好印象です。リアルな映像であるがため、深い海でまだ出会ったことのない未知の生物と遭遇した際には恐怖を感じることもできました。海中を自由に泳ぎ回れるタイトルは貴重ですので、良い体験ができると思います。
バラエティ豊かな敵対ボスとなぜかハマる収集要素
序盤のバラクーダから始まり、アリゲーター、アオザメ、シュモクザメなど、各エリアにはそこを縄張りとする頂点捕食者が潜んでいて、ストーリーが進むとボス的存在として立ち塞がります。終盤にはこんな敵!?もという驚きのボスも登場し、自身を強化しながら打倒していくのが面白かったです。
サメの敵は海中の生物だけでなく、人間のボスも登場します。無抵抗な人間の捕食を続けているとハンターがサメを狙いにきます。さらにハンターを倒し続けると悪名レベルが上がり、人間のボスクラスのサメハンターが登場します。ボスハンターは10人存在し、倒すと装備品をゲットできますので、ついつい人間を襲うことに夢中になってしまいました。
収集要素はランドマークや宝箱などで若干単調さはあるものの、発見した際に添えられる独特なナレーションは聞いていて面白い内容ですし、発見するスポットもバラエティがあり収集欲を満たしてくれます。オープンワールドとしては狭めですが、密度が高く、自由にサメを操れるようになってくるとテンポよく収集品を集めることができるため、単調ながら熱中できる適度な配置となっていました。
RPG的な味付けと意外と骨のある戦闘
RPG要素としてレベルの概念(体力、ダメージ、速度など)と顎やヒレや尻尾などに装着できる装備品のアップグレードがあります。オープンワールドということで、その時点では太刀打ちできない捕食者もウヨウヨしていますし、序盤は逃げるしかない相手もサメの成長に合わせて無双できるようになる楽しみもありました。
レベルアップにより体が大きくなったり、取得した装備品を歯や尻尾、頭などに装備することでビジュアルも変化しますので、どんどん凶悪になっていくサメに成長を見るのがモチベーションになっていました。
戦闘は格下の敵に対しては若干単調になるものの、格上の敵に対しては戦略を練って挑戦する必要がありました。サメの装備品は自由に付け替え可能なため、電撃で痺れさせ隙をついたり、毒を付与して少しづつ削ったり、装甲を重視して体当たりで攻めたりと色々な装備を敵に合わせて試行錯誤するのも楽しみの一つでした。
海中での戦闘は慣れが必要ですが、自由に動かせるようになると爽快度が増してきます。敵の攻撃はしっかりと回避し、ダメージを受けないよう位置取りをし、噛みつく際はタイミングを考えてというように、少しづつ上手く戦闘できるようになることによる自身の成長も実感できるのが面白かったです。
問題点
ロックオン機能が欲しかった
海中(時々陸地)が舞台ということで、360度自由に移動できますが、比較的操作性が良く思い通りに動かすことができました。ただし、戦闘においてロックオン機能が搭載されていないため、敵を見失いやすくカメラ操作がかなり忙しくなりますので慣れが必要です。特に浅瀬などではそれが顕著で、ロックオン機能があればと感じる部分も多かったです。
無視できないバグがいくつか
レビュー時点でのバージョンではバグがまだ幾つか残っています。ゲームクリアまでにアプリケーションエラーで強制終了が3回ほどありました。私は運良く遭遇しませんでしたが、収集系のバグも存在するようです。今後のパッチでの修正を期待します。(バグではありませんが、PS4Proでのプレイ時、ファンの音がかなり爆音となっていました。一回だけですが「PS4本体の熱が高すぎです。電源を落としてください。」という今まで見たことのないエラーメッセージにも遭遇しました。)
堂々とした誤訳
基本的にはスッと頭に入ってくる日本語訳ですが、所々誤訳が存在します。アザラシを「密閉」(sealの誤訳?)と訳していたり、シャチを「オクラ」(オルカの誤訳?)と訳していたり。また、捕食者に負けてしまうと「お魚フード」とデカデカと表示されるなど、独特な表現もありますが笑って許せてしまう雰囲気も持った作品でした。
総合評価
親を殺した人間に復讐するサメというB級映画を彷彿とさせる設定だけで既に興味を惹かれてしまった。ミドルプライス作品としては高レベルなグラフィックで、海中はもちろんのこと時間経過により変化する海辺の風景も美しい。成長要素も上手く機能しており、順を追って登場する凶暴な海の捕食者たちはとても魅力的だ。戦闘は意外と戦略性があり、回避や位置取り、攻撃タイミングなどを考え、サメ自身の装備品も考慮しないと苦戦する格上の敵も少なくないため、自身のスキルアップも実感できる。クエストや収集要素はやや単調だが、マップの密度は高いため自由にサメを扱えるようになってくるとその単調さが楽しみに変わるかもしれない。ロックオン機能未実装によるカメラワークと幾つかのバグが足を引っ張っているものの、「MANEATER」は挑戦的で楽しい作品で、他ではなかなか体験できない独創性のある希少なサメオープンワールドアクションRPGである。
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