ジャンル | パズルアクションアドベンチャー |
ハード | PS4 / Switch / XboxOne |
メーカー | コーラス・ワールドワイド |
発売日 | 2019年2月28日 |
レビューバージョン | v1.0.0 (PS4Pro) |
目次でチェック!
Good
アニメーションとゲームの融合
本作品に興味がある方は既にご存知であるかと思いますが、アニメーションとゲームの融合が大きな魅力な作品となっています。アニメーションの質は高く、ムービーパートと操作パートは完全にシームレスで繋がっていて、高い没入感を感じることができます。
主人公であるアンには5000カットを超えるアニメーションが使用され、躍動感豊かに動くその姿はまさに操作するアニメーション。もちろんアン以外のキャラクターも手抜きは一切なく、どれも本当に自然な表現がされています。
美術も素晴らしく、人間に忘れられた”モノ”達が暮らす街を中心に、塔、工場、駅、自然の風景などバラエティー豊かな風景が色彩豊かに表現され、それがアニメのワンシーンとしてゲームと完全に融合しています。
フォーゴットン・アンを製作したデンマークのThroughLine GameのスタジオのCEOはアニメーション映画畑の出身だそうで、日本のアニメーションに大きく影響を受けたと語っており、日本アニメへのオマージュにも見所の一つとなっています。
魅惑的でインタラクティブなストーリー
緻密に構築された世界観を雰囲気たっぷりなアニメーションで再現しています。謎から始まるストーリーもプレイヤーを惹きつけ、いつしかフォーゴットン・アンの世界にどっぷりと疲れるようになっています。
個性溢れる登場人物(モノ?)たちは、短い登場シーンにおいても存在感があり、世界観がしっかりしているからこそ、魅力的に映ります。ユーモアがあり、感動があり、しっかりとその世界で生きている事が感じられました。
エンディングは大きく2種類で最後の最後の選択によって決まるので、基本的にはナラティブ。ただし、その道中にも細かなプレイヤーの選択があり、エンディングに至る過程は細かく分岐しています。一般的なアドベンチャーの選択肢によるものもあれば、パズルの解法に依存するものもあり、インタラクティブな物語が楽しめました。
優しめのアクションと難易度が絶妙なパズル
本作をジャンル付するのは少し難しいですが、筆者的にはパズルアクションアドベンチャーと位置付けました。アニメ的な手法で描かれているためキビキビした動作ではないところが惜しいですが、その分アクション要素は抑えめでアクションは優しめです。アクション要素はアニメーションを楽しむために存在している印象でした。
パズルに関しては、多すぎず少なすぎず程よいボリュームで、よく観察することによりヒントも提示されているので、解けたときに気持ちのいいバランスです。いくつか高難度のパズル要素もありますが、決して理不尽な設定ではありません。また、前述した通り、パズル要素がストーリー展開に影響を与えるのもポイントです。
Bad
もっさりしたモーションとぎこちない日本語訳
全てを手書きのアニメで表現した滑らかな動きではあるのですが、若干動作はもっさりしています。最初は違和感を感じるかもしれませんが、アクション要素は控えめで難易度も高くないので慣れてしまえば気にならない程度です。また、日本語訳に若干の誤字や違和感を感じる表現がありました。贅沢を言えば日本語音声があるともっと良い作品となっていたと思います。
詰みの状態が発生するパズル
本作のパズル部分で一箇所、詰みの状態が発生する(必要なアニマが足りなくなる)ことがありました。その際はチェックポイントからやり直すことになるのですが、「リトライ」がないために「タイトルへ戻る」を経由して「続きから」始める必要があり、スマートではありません。できれば詰みの状態が発生しないデザインにすべきだと感じました。(解法を見落としていたらすみません。)
Evaluation
アニメーションとゲーム部分は全てシームレスで繋がっており没入感が非常に高い。緻密に設定された美しい世界観が構築されており、謎から始まりすっきりとしたエンディングへと続く満足度の高いストーリーはセンス抜群。日本アニメ作品をオマージュした小ネタも見所の一つ。ゲーム部分に革新性は見られないものの、アニメーションとゲームを高い次元での融合を実現した意欲的なインディー作品である。
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