ジャンル | RPG |
ハード | PS4 |
メーカー | コンパイルハート |
発売日 | 2018年4月12日 |
レビューバージョン | v1.05 |
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Good
現実編とゲーム編で交錯するミステリアスな物語
メインとなるストーリーは、ある理由からログアウトできなくなったバグに塗れたMMORPGの世界から脱出することが目的となるRPGパートと、ゲーム内のプレイヤーをサポートする現実世界を舞台としたADVパートをそれぞれ行き来しながら進めていきます。このRPG+ADV、ゲーム+現実世界という世界観は魅力的でとても楽しめました。
また、RPGパートのバグが現実世界にさえも侵食してくるミステリアスな物語も新鮮で、ホラー要素がふんだんに散りばめられていて読んでいて単純に楽しかったです。
魅力的なキャラクターと迫真の演技
RPGパートとADVパートそれぞれで登場する人物が異なり、モブキャラは少なめですがメインとなるキャラクターは多めです。RPGパートでの3Dモデルはクオリティが高く、可愛らしいキャラクター達は表現豊かに動きます。
デスエンド(BAD END)が多い本作ですが、声優さんの迫真の演技でその魅力に拍車をかけています。凄惨である意味グロ要素の強いデスエンドですが、表現が難しい場面をボイスで魅せる演出となっています。
快適な周回プレイとユーザーに優しい真エンド条件
強くてニューゲームとADVパートの快適なスキップ機能により周回プレイは比較的快適です。真エンドは到達条件さえ知っていれば一周目でも可能と優しめで、キャラクター別エンドも2週すれば網羅できるようになっているため、気持ちよくプレイを終えることができます。また現在ではパッチによりエンディングを補完するエピローグが追加されています。
Bad
手抜き感のあるBAD ENDで回収が面倒
『99%のバッドエンドを潜り抜け、バグに侵食されたゲーム「ワールズ・オデッセイ」からログアウトせよ』という謳い文句からもわかるように、本作には多彩なBAD ENDが存在します。BAD END回収によりユニークな装備品がもらえたりするため、プレイヤーはBAD END回収を行いながらエンディングを目指します。
しかし、本作のBAD ENDは淡白な作りになっているものがほとんど(中には手の込んだものもあるが)で、真っ黒な画面にテキストが数行のみというものが多いのでどうしても手抜き感を感じてしまいました。また、BAD ENDへの突入が唐突なものが多く、「なぜBAD ENDに到達したか」という理由付けが不明瞭なので回収がいまいち楽しめませんでした。直前セーブができるBAD ENDが多いですが、そうでない場合はある程度のやり直しが必要という点もストレスに感じました。
複雑な戦闘システムであるが完成度は低い
攻撃した敵を吹き飛ばし、ビリヤードのようにぶつけた敵にもダメージが入る「ノックバグ」というバトルシステムが基本となっていますが、敵の体力が多く固めであるため、結局は強力なスキルで属性を絡めてのゴリ押しが効率的となってしまい単調さは否めませんでした。他にも多種多様な戦闘システムが搭載されていますが、ボス戦以外ではなかなか活躍しづらいという印象です。細かい部分をケアできないカメラワークも不満の一つです。
メイン以外のクエストがほぼない
メインストーリー以外のクエストも用意されていますが、素材集めのみのため寄り道の楽しさは本作にはほとんど存在しません。ただし、この素材集めクエストが真エンド到達条件に絡んでいるため、プレイは必須となっています。
Evaluation
豊富ではあるが手抜き感が感じられたバッドエンドは残念で、複雑な戦闘システムも大味な感じは否めない。しかし、迫真の演技で描かれるキャラクター達は魅力的で、現実世界とゲーム世界が交錯するホラー要素を含むミステリアスなストーリーのRPGは新鮮さがある。キャラクターや世界観が気になるプレイヤーは手に取っても損ではない作品である。
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