ジャンル | ADV |
ハード | PS4 / Switch / PSVita |
メーカー | 5pb. |
発売日 | 2018年9月20日 |
レビューバージョン | v1.05(PS4版) |
目次でチェック!
Good
表現力豊かな全編アニメーション
「シュタインズゲートエリート」を簡単に説明すると、2009年にXbox360で発売されたオリジナル版をテレビでも放送されたアニメの素材を使って全編アニメーションに対応させた完全リメイク作品となります。原作者でもある志倉さんはインタビューなどで「やるドラ」(1998年から展開されたPSPの人気ADVシリーズ)に度々触れていましたが、やるドラのシステムでシュタインズゲートを再構築しているという例えはわかりやすいかと思います。
現在の主流である立ち絵に背景を加えてちょっとした動きを加えたというビジュアルノベルとは違い、映像的に動きのあるアニメーションを全編に使用した退屈感を感じないゴージャスな作りとなっています。アニメ版に存在しなかったキャラ別固有ルートもしっかりと再現されています。ノベルゲームを苦手としている方にこそ手に取ってもらいたい作品となっています。
伏線につぐ伏線の回収が素晴らしい物語
既にオリジナル版の発売から10年となるため、その脚本の素晴らしさは世に伝わっている段階ではありますが、あえてもう一度振り返ってみると、その伏線の散りばめ方と回収の完成度が凄まじく高い。伏線だけ貼って回収仕切れない物語が氾濫している中、本作のエンディングは余韻を残しつつもきっちりと終えることができ満足度は高いです。
科学アドベンチャーと銘打っているだけあって、物理的な検証や考察などSFなストーリーに科学的な要素を組み合わせているのも人気のポイント。その分野に詳しくなくても理解できる易しめの解説やTIPSもリアリティを添えています。
個性ありすぎで魅力的なキャラクター設定
中2病全開の主人公を筆頭とした個性の溢れたキャラクター達も魅力の一つ。かなり癖の強い登場人物が登場しますが、そのキャラの性格や人物設定までもストーリーの伏線として取り込んでいます。独特のキャラデザインと相まって、最初のうちは慣れないかもしれませんが、キャラ別の派生ルートを辿る頃にはその魅力を十分に堪能できると思います。
Bad
オリジナル版からカットされた文が目立つ
本作をフルアニメーションで構築した弊害として、オリジナル版から文章がカットされた部分が少なからず存在します。但し、(大幅カットされたシーンはともかくとして)本作はアニメで表現されていて、文章以外の情報をユーザーは補完することができるため、全くのBAD要素とも言えないところでしょう。
ルート分岐条件が難解
本作はメインルートからキャラ別エンドへと派生する一般的なADVの様式に従っています。ですが、本作の分岐は携帯電話に届くメールの何気ない返信により決定されるため、ルート分岐条件が難解です。攻略サイトに頼らずトゥルーエンドに自力でたどり着くにはそれなりの根気が必要となるでしょう。
Evaluation
名作と名高いストーリーのシュタインズゲートを、最新のアニメーション映像で彩ったゴージャスな決定版。アニメ版からの新規カット追加、原作を忠実になぞったフルアニーションによる物語など、アニメファン、原作ファン、新規の方、全てにおすすめできる完成度の高い傑作アドベンチャー。アニメ化された続編であるシュタインズゲートゼロのエリート版発売にも期待がかかる。
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